関連商品のクーリングオフはジムでも効く
契約するときに、コースだけでなく物を一緒に買うことがあります。プロテイン、サプリ、化粧品、補正下着、家庭用の機器。
やめると決めたとき、そちらはどうなるのか。条文には「関連商品」という名前が用意されていて、政令が中身を名指ししています。
関連商品は、本体と一緒に解除できる
この仕組みは特定継続的役務提供(1か月を超えて続き、5万円を超える契約だけが対象になる決まり)の中にあります。特定商取引法48条2項の本文です。
前項の規定による特定継続的役務提供等契約の解除があつた場合において、役務提供事業者又は販売業者が特定継続的役務の提供に際し特定継続的役務提供受領者等が購入する必要のある商品として政令で定める商品(以下この章並びに第五十八条の二十二第二項、第五十八条の二十六第一項及び第六十六条第二項において「関連商品」という。)の販売又はその代理若しくは媒介を行つている場合には、当該商品の販売に係る契約(以下この条、次条及び第五十八条の二十二第二項において「関連商品販売契約」という。)についても、前項と同様とする。
長い文ですが、骨は「本体をクーリング・オフしたら、関連商品の売買契約も同様」です。物のほうだけ残る形にならないように用意されています。
ただし「政令で定める商品」なので、何でも入るわけではありません。
政令が名指ししているもの
特定商取引に関する法律施行令29条1項が、関連商品を別表第五だとしています。その別表第五の一号です。
一別表第四の一の項に掲げる特定継続的役務にあつては、次に掲げる商品イ動物及び植物の加工品であつて、人が摂取するもの(医薬品を除く。)ロ化粧品、石けん(医薬品を除く。)及び浴用剤ハ下着ニ電気による刺激又は電磁波若しくは超音波を用いて人の皮膚を清潔にし又は美化する器具又は装置
別表第四の一の項は、ジムやサロンが入る枠です。そこで名指しされているのは、人が摂取するもの、化粧品と石けんと浴用剤、下着、そして電気や超音波を使う器具や装置になります。
ここに入っていないものは、本体と一緒に解除する仕組みの外にいます。トレーニングウェアやシューズは「下着」ではないので、この一号からは読み取れません。買うことになったものが名指しの中に入るかは、品目の側から見ることになります。
使ったあとで扱いが分かれる
48条2項にはただし書きが続きます。書面を受け取ったあとに、価額が著しく減少するおそれがある商品として政令で定めるものを使ったり消費したりしたときは、この限りでないという形です。
その政令が施行令29条2項です。
法第四十八条第二項ただし書の政令で定める関連商品は、別表第五第一号イ及びロ並びに第二号に掲げる関連商品とする。
名指しされているのはイとロです。人が摂取するものと、化粧品・石けん・浴用剤。ハの下着とニの器具は、ここに入っていません。
イ・ロ(摂取するもの/化粧品・石けん・浴用剤)
- 書面を受け取ったあとに使うと、ただし書きに当たりうる
- 事業者に使わせられた場合は除かれている
- 開ける前なら本体と一緒に解除できる
ハ・ニ(下着/電気や超音波を使う器具)
- 施行令29条2項の名指しに入っていない
- 使ったあとでも48条2項本文のほうで考えることになる
- 本体をクーリング・オフしたときに一緒に扱われる
ただし書きの政令が名指ししているかどうかだけで決まり、値段や使った量では決まらない
ただし書きの括弧に「当該役務提供事業者又は当該販売業者が当該特定継続的役務提供受領者等に当該商品を使用させ、又はその全部若しくは一部を消費させた場合を除く」があります。店の側で使わせた分は、ここから外れます。その場で開けて飲まされた形は、自分で消費したのとは別に扱われることになります。
8日を過ぎたあとは、中途解約の側で見る
クーリング・オフの期間が終わっていても、期間が一月を超え、かつ金額が五万円を超える契約なら、本体を中途解約できます。そのとき関連商品の側にも道があります。49条5項です。
第一項又は第三項の規定により特定継続的役務提供等契約が解除された場合であつて、役務提供事業者又は販売業者が特定継続的役務提供受領者等に対し、関連商品の販売又はその代理若しくは媒介を行つている場合には、特定継続的役務提供受領者等は当該関連商品販売契約の解除を行うことができる。
こちらには、使ったら外れるというただし書きが置かれていません。続く49条6項が、関連商品を解除したときに販売した側が請求できる額に上限を置いていて、返された場合は通常の使用料に相当する額、返されない場合は販売価格に相当する額、引渡しの前なら契約の締結及び履行のために通常要する費用の額という分け方になっています。
本体の上限はパーソナルジムの中途解約と請求できる額の上限にまとめました。関連商品の上限は、そこに足す形で計算することになります。
返す送料は、こちら持ちではない
48条5項が、返還や引取りの費用を決めています。
第一項の規定による特定権利販売契約の解除又は第二項の規定による関連商品販売契約の解除があつた場合において、その特定権利販売契約又は関連商品販売契約に係る権利の移転又は関連商品の引渡しが既にされているときは、その返還又は引取りに要する費用は、販売業者又は関連商品の販売を行つた者の負担とする。
負担するのは販売業者の側です。着払いで送ってよいか迷うところですが、条文はこの分を事業者の負担としています。
買う前と、やめるときにやること
- 契約するときに、物の代金が本体と分けて書かれているかを見る
- 品目が別表第五の一号のどれに当たるかを見る。摂取するもの、化粧品・石けん・浴用剤、下着、器具や装置
- 開ける前なら開けない。イとロは使うとただし書きに当たりうる
- やめるときは、本体と関連商品の両方について書面で申し出る
2番目で迷ったら、その場で決めずに持ち帰ります。線がどこにあるかはパーソナルジムのクーリングオフ条件にまとめました。本体が対象にならない契約では、関連商品の仕組みも動きません。
書面の受け取り方はパーソナルジム体験の当日にやることにあります。8日を数え始めるのは、契約したあとに渡される書面からです。
契約でもめたときの相談先は、消費者ホットライン 188 です。最寄りの消費生活センターにつながります。
まとめ
- 48条2項本文が、本体を解除したら関連商品の売買契約も同様だとしている
- 関連商品は政令が名指ししていて、ジムやサロンの枠は別表第五の一号
- 一号にあるのは、摂取するもの、化粧品・石けん・浴用剤、下着、電気や超音波を使う器具や装置
- 使ったあとに外れうるのは、施行令29条2項が名指しするイとロだけ
- 中途解約の側(49条5項)には、使ったら外れるというただし書きが無い
- 返還や引取りの費用は、48条5項により販売業者の負担