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パーソナルジムのクーリングオフ条件

公開

パーソナルジムやサロンの契約は、どれでもあとからやめられるわけではありません。やめる権利が付くかどうかには線があって、その線は条文に書かれています。1か月を超える期間と、5万円を超える金額です。

このページは、その線がどの条文から出てくるかだけを扱います。契約する前に、自分の契約がどちら側にあるかを確かめられるようにするためです。

まず、対象になる契約の形

特定商取引法41条1項1号が、対象になる契約をこう決めています。

役務提供事業者が、特定継続的役務をそれぞれの特定継続的役務ごとに政令で定める期間を超える期間にわたり提供することを約し、相手方がこれに応じて政令で定める金額を超える金銭を支払うことを約する契約

読むべきところは2つです。期間を超えることと、金額を超えることです。どちらも「政令で定める」となっていて、条文そのものには数字が書かれていません。数字は施行令のほうにあります。

数字は施行令にある

特定商取引に関する法律施行令の別表第四に、対象になる役務が並んでいます。1つ目がこれです。

人の皮膚を清潔にし若しくは美化し、体型を整え、又は体重を減ずるための施術を行うこと(二の項に掲げるものを除く。)。

体型を整えたり体重を減らしたりするための施術が、ここに入ります。この項目の期間の欄には「一月」と書かれています。

金額のほうは、同じ施行令の24条2項です。

法第四十一条第一項第一号の政令で定める金額は、五万円とする。

この2つを合わせると、1か月を超え、かつ5万円を超える契約が対象になります。

どちらか片方だけでは対象にならない

ここを取り違えると判断が逆になります。

契約の形期間と総額対象か
単発の体験だけその日限り・数千円対象外
月額1万円で1か月ごとに終わる1か月・1万円対象外
月額3万円で12か月契約12か月・36万円対象

3つ目のように、月額の数字が5万円に届かなくても、契約の期間が長ければ支払う総額は5万円を超えます。月額だけを見て「5万円以下だから関係ない」と判断すると、権利があるのに気づかないことになります。

料金表から総額を出す手順はパーソナルジムの料金と相場の見方にまとめました。

「二の項に掲げるものを除く」の意味

引用した文の末尾に、括弧書きで「二の項に掲げるものを除く」とあります。二の項は美容医療で、医学的処置や手術が入ります。医療にあたるものは1つ目の項目からは外れて、二の項のほうで扱われます。

ジムやサロンは医療ではないので、1つ目の項目のほうで考えることになります。

セルフで使う機器はどうなるか

1つ目の項目は「施術を行うこと」と書かれています。事業者の人が施術する形が想定されています。

セルフエステのように、利用者が自分で機器を使う形がここに入るかどうかは、公表された解釈で確定していません。同じ店舗でトレーナーが指導するメニューとセルフの機器の両方を売っていることもあります。

確認できないことを「対象外だ」と決めないでください。契約する前に事業者に聞く、というのがここでできることです。

成果が確実でないことは、法律の前提

同じ41条の2項2号には、こう書かれています。

役務の性質上、前号に規定する目的が実現するかどうかが確実でないもの

成果が確実でないことは、この分野が法律の対象になった理由そのものです。「必ず痩せる」と書かれた広告を見たら、その時点で表示のほうを疑うことになります。

8日の数え方は、契約した日からではない

8日間のクーリング・オフができ、これは特定継続的役務にあたる契約に限られます。ただし数え始める日は、契約した日でも、お金を払った日でもありません。

特定商取引法48条1項は、42条2項または3項の書面を受け取った日から起算して8日を経過したときを除いて、こう定めています。

書面又は電磁的記録によりその特定継続的役務提供等契約の解除を行うことができる。

起算点は書面を受け取った日です。だから書面を渡されていなければ、8日は始まりません。

概要書面と契約書面

事業者が渡す書面は、概要書面(契約する前に渡される、料金と解約の条件を書いた書面)と契約書面です。先に渡すのが概要書面で、42条1項にこう書かれています。

当該特定継続的役務提供等契約を締結するまでに、主務省令で定めるところにより、当該特定継続的役務提供等契約の概要について記載した書面をその者に交付しなければならない。

これが概要書面です。契約したあとではなく、契約する前に渡すものとされています。契約書面のほうは、契約したあとに遅滞なく渡すことになっています。

体験の日に何を渡されるかはパーソナルジム体験の当日にやることにまとめました。

自分の契約がどちら側かを確かめる順番

契約する前に確かめるなら、この順で見ると早いです。

まず料金表で、月額と契約期間を見つけます。次に、その月額に注記が付いていないかを見ます。期間の縛りはたいてい注記のほうに書かれています。そこから支払う総額を出して、5万円を超えるかどうかを見ます。最後に、その期間が1か月を超えるかどうかを見ます。両方を超えていれば、特定継続的役務にあたる契約です。

料金表だけで判断がつかないときは、事業者に概要書面を出してもらうのがいちばん確実です。概要書面には、役務の内容と対価と期間が書かれています。契約する前に渡すものとされているので、まだ契約していない段階でも求めることができます。

事業者が「対象外です」と言ったとき

窓口の担当者が制度を正確に把握していないことがあります。そういうとき、こちらが持っている材料は、条文と自分の契約内容です。期間と金額を計算した数字を示して、どの条文にあたるのかを聞くのが具体的です。

その場で答えが出ないなら、持ち帰ってかまいません。判断を急がせる理由が事業者の側にあるだけで、こちらが急ぐ理由はありません。

迷ったときの相談先

契約の前でも後でも、消費者ホットライン188に電話すると、最寄りの消費生活センターにつながります。契約書面を手元に置いて相談すると話が早く進みます。

実際の店舗で確かめる手順はカラダビスタの料金と体験の流れ、やめるときの計算はパーソナルジムの中途解約と請求額にあります。

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